なぜ今、スマホ全盛の時代に、あえて「一眼カメラ」を選ぶのか。
子どもが生まれて、「この一瞬を、もう少しきれいに残したい」と思ったとき。
最近は、SONYやCanonではなく、初心者向けのミラーレス一眼から検討する人も増えています。
そんな中で、私が選んだのが富士フイルムのミラーレス一眼「FUJIFILM X-T30 III」 でした。

この記事では、2025年11月発売の「FUJIFILM X-T30 III」を子育て家庭が実際に使った視点で、スマホとの違い・作例・メリット/デメリットをレビューします。
かめ助ちなみに我が家では、購入当初「それ本当に必要?」という空気もありました。
そのあたりも含めて、リアルに書いています。
ひと目でポイント
記録(レコード)ならスマホ。記憶(メモリー)ならX-T30 III。
- 「失敗なく記録する」だけなら、最新のスマホが最強
- 「あの時の空気感ごと残す」なら、一眼カメラが必要
スマホと一眼カメラ、決定的な違い
実際にiPhoneと撮り比べて感じた「超えられない壁」はここです。
| 特徴 | 最新スマホ(iPhone など) | 一眼カメラ(X-T30 III) |
|---|---|---|
| 画作り | AIが補正した「くっきり明るい」画像 | 光と影を活かした「雰囲気のある」写真 |
| ボケ味 | デジタル処理で少し不自然なことも | レンズの光学性能によるとろけるボケ |
| シャッター | 押してから撮れるまでラグがある | 押した瞬間、その一瞬が撮れる |
| 暗所・室内 | ノイズを消そうとして塗り絵っぽくなる | 暗くても質感が綺麗に残る |
スマホの写真を見返した時「あ、ここ行ったな(記録)」とは思うけど、その場の空気まで思い出すことは少ないですよね。
一眼カメラで撮った写真は、「その場の匂い」まで写っているような感覚になりました。
なぜSONYやCanonじゃなく「富士フイルム」を選んだのか?
ここで疑問に思う方もいると思います。
「一眼カメラなら、AFが最強のSONYや、使いやすいCanonでも良かったんじゃない?」と。
もちろん、僕もSONYのα6000シリーズや、CanonのEOS Rシリーズと比較検討しました。
どれも素晴らしいカメラです。
でも、最終的に富士フイルム(X-T30 III)を選んだ理由は
「『空気感のある写真』を、一番ラクに撮れるから」です。
編集いらずで「記憶の色」になる
- 他メーカーのカメラ
- 見たままを忠実に、クリアに写すのが得意(リアリティ重視)。
- 自分好みの雰囲気にするために、パソコン等で「編集(色調整)」する楽しさがある。
- 富士フイルムのカメラ
- 最初からフィルムのような色作り(記憶色重視)。
- シャッターを切った瞬間、編集なしで「完成」している。



正直、子育てと仕事に追われる毎日で、夜な夜なパソコンで写真を編集する時間がなかなか取れません。
富士フイルムには「フィルムシミュレーション」という機能があり、撮った瞬間に「あの日の空気感」が完成しています。
「手間をかけずに、最高の記憶(色)を残したい」 このワガママを一番簡単に叶えてくれるのが、僕にとっては富士フイルムだったんです。
X-T30 IIIの基本スペック(初心者向けの要点だけ)
そんな富士フイルムの中で、なぜX-T30 IIIを選んだのか。
細かい数字はぬいて、何が凄いのかまとめました。
- センサー: APS-C X-Trans CMOS 4(2610万画素)
- 定評のある高画質センサー。
- エンジン: X-Processor 5
- ここが進化点! AF(オートフォーカス)が劇的に賢くなりました。
- キットレンズ: XC13-33mm F3.5-6.3 OIS
- 新しい標準レンズ。ここが使いやすさのキモ(後述)。
- 重さ: 約378g(本体、バッテリー、メモリーカード含む)
- 缶ジュース1本分。めちゃくちゃ軽いです。
- フィルムシミュレーション: 20種類
- スマホにはない「エモい色」が20個も入ってます。
- 発売日: 2025年11月28日
キットレンズだけで「スマホよりちょっといい写真」が簡単に撮れる
今回、レンズキットに付いてくる XC13-33mm F3.5-6.3 OIS。
実はこのレンズ、スマホユーザーにとって「神レンズ」なんです。
理由は3つ。
難しいことは抜きにして、「とにかく感覚的に使いやすい」からです。
① 広角側は「スマホの標準」と同じだから、使いやすい
このレンズの広角側(13mm、フルサイズ換算20mm)は、スマホの標準カメラとほぼ同じ、やや広角よりの画角です。
つまり、「スマホで撮るいつもの感覚」で構えれば、そのままフレームに収まります。
室内での遊びや、公園の遊具全体を写したい時など、一眼カメラ特有の「あれ?入りきらない」というストレスがありません。
② 望遠側は「人間の視野」に近いから、表情が自然に残る
ズームを一番伸ばした33mm(フルサイズ換算約50mm)。
カメラの世界では、この画角が「標準レンズ(人間の視野に一番近い)」と言われています。
- 歪みがなく、目で見たままの形・大きさで写る
- 目の前の子供の笑顔にグッと集中できる
「あ、今の表情いいな」と思ったその瞬間を、見たままの距離感で切り取れる。
だから、子供の表情をしっかり撮りたい時に、ちょうど良かったです。
③ 手ブレ補正つきで、本体に補正がなくても安心
X-T30 III 本体には手ブレ補正がありません。
「え、大丈夫?」と思うかもしれませんが、このレンズ側にOIS(手ブレ補正)が付いているので安心です。
子供と手を繋ぎながらの片手撮影や、パッと構えて撮るスナップでも、レンズがしっかりブレを抑えてくれます。 この安心感は大きいです。
X-T30 IIIで撮った作例(家の中のモノが、映画みたいになる)
カメラが届いた平日の夜。
「子供を撮るのは週末のお楽しみ」として、とりあえず何枚か試し撮りしてみました。
正直、想像以上でした。
ただの「家の中」を撮っただけなのに、光や影の出方で、写真の印象がここまで変わります。
下の写真は、すべて**編集なし(撮って出し)**です。






12/21追記:フィルムシミュレーション比較
同じ被写体でもフィルムシミュレーションを変えることで、簡単に写真の印象を変えることができました。
もしこの中に「この雰囲気、好きだな」と思えるものがあれば、フィルムシミュレーションを使う楽しさは、かなり実感できると思います。








『Velvia/ビビッド』は、鮮やかな発色とメリハリのある階調が特徴のフィルムシミュレーション。青空や夕焼けなど高彩度の被写体を引き立てる際にオススメです。
『REALA ACE』は、目で見たままに近い忠実な色再現と立体的なメリハリのある階調表現が特徴で、様々なシーンに対応するフィルムシミュレーションです。
『クラシックネガ』は、フィルムカメラで撮影したような、どこか懐かしい情緒ある表現が人気のフィルムシミュレーションです。
正直なところ、色味の好みは文章で説明するより、実際の作例を見た方が早いと思っています。
フィルムシミュレーションの色味をもっと知りたい場合は、「IRODORI(イロドリ)」という公式が運営するサイトが参考になります。
公式の作例と合わせて見て、好きな色味・好きな写真の残し方が見つかれば、富士フィルムのカメラを買っても後悔はないと思います。
逆に、色味がピンとこない場合は、無理に選ばなくてもいいとも感じています。
比較検証:X-T50やX-S20じゃダメだったのか?
購入にあたり、もちろん他の機種とも迷いました。
私が比較したのはこのあたりです。
| 機種 | 特徴・強み | 向いている人 |
|---|---|---|
| X-T30 III | 軽い・安い・撮って出し最強 | 写真メイン/子育て初心者 |
| X-T50 | 手ブレ補正あり・4000万画素 | 編集したい/トリミング前提の人 |
| X-S20 | 動画性能が最強・グリップ深い | Vlog/動画メインの人 |
X-T30 IIIは手ブレ補正こそありませんが、圧倒的な軽さとコスパが魅力。
浮いたお金で家族旅行に行って、そこで写真を撮る。それが子育て家庭のリアルな選択だと思いました。
もっと安くて軽い「X-M5」はどうなの?
比較検討の中で、実はもう一台、候補に挙がったカメラがあります。
それが、FUJIFILM X-M5 です。
このカメラは「もっと初心者向けの選択肢」として、とてもバランスの良い一台です。
- とにかく軽い(約355g、本体、バッテリー、メモリーカード含む)
- 見た目が可愛い(レトロだけどポップ)
- スマホに近い操作感(タッチパネル中心)
- 価格も X-T30 III より安い(2025年12月時点)
「初めての一眼だけど、スマホの延長で使いたい」 という方や、予算を抑えたいファミリーは、むしろ X-M5 の方がフィットするかもしれません。
それでも僕が「X-T30 III」を選んだ理由
X-M5は魅力的ですが、僕には決定的に足りないものがありました。
それが「ファインダー(覗き窓)」と「操作する楽しさ」です。
- ファインダーで撮る没入感: 太陽が眩しい屋外でも、ファインダーを覗けば子供の表情がハッキリ見える。
- ダイヤル操作のワクワク: スマホのようなタッチ操作ではなく、カチカチとダイヤルを回して「色」や「明るさ」を決める。
僕は、単に写真を撮るだけでなく、「カメラを持つ喜び」や「撮る行為そのもの」も楽しみたかった。
だから、少し高くてもX-T30 IIIを選びました。
▼ 失敗しない選び方。
- X-T30 III → 写真を「趣味」としても楽しみたい人。ファインダーを覗いて撮りたい人。
- X-M5 → まずは一眼を試してみたい人。スマホと同じ感覚でパシャパシャ撮りたい人。
X-T30 IIIのここが凄い!メリット2選
1. 新搭載「フィルムシミュレーションダイヤル」が魔法すぎる
今回から搭載されたこのダイヤル。
これが、僕みたいな「設定とかよく分からんけど、エモい写真が撮りたい」パパの救世主です。
- なんか懐かしい雰囲気だな → 「Classic Neg」へカチッ。
- 空の青さを残したいな → 「Velvia」へカチッ。
メニュー画面を開く必要なし。直感でダイヤルを回してシャッターを切るだけ。
それだけで、なんでもない公園の景色が映画のワンシーンみたいになります。
2. 「いつものバッグ」に入る、圧倒的な小ささ
重さは約378g。
「一眼=重い・デカい」の常識が覆ります。
これなら、オムツや着替えでパンパンのリュックの隙間にもねじ込めます。
買って分かった「正直なデメリット」
気になった点も正直に書きます。
- ボディ内手ブレ補正(IBIS)がない
- 動画で歩き撮りすると揺れます。でも写真メインならレンズ側の補正(OIS)で十分です。
- 防塵防滴ではない
- 雨の中や砂嵐の中で使うのは怖いです。公園の砂場には注意。
- バッテリー持ちは「普通」
- 一日中撮りまくるなら予備バッテリーが1個あった方が安心。
補足:運動会・発表会は「望遠レンズを追加すればOK」
この記事では「まずはキットレンズで始める」前提で紹介していますが、将来的にこんな悩みが出るかもしれません。



運動会で遠くの子どもを撮りたい



発表会の舞台をアップで写したい
そんな時は、後から安い望遠レンズ(XC50-230mmなど)を1本追加すれば大丈夫です。
最初から全部を揃える必要はありません。
まずはこの13-33mmで日常をたくさん撮るところから始めると、コスパも満足度もいちばん高いです。
結論:X-T30 IIIはこんな人におすすめ!
コスパと評価
X-T30 III レンズキットの実売価格は約16万円前後(発売時)。
上位機種より10万円近く安く、この軽さと画質が手に入ることを考えると、子育て家庭には非常にコスパが高いモデルと言えます。
◯買うべき人
- 子供の成長を「記録」じゃなく「記憶(エモい写真)」で残したい人
- スマホの写真になんとなく物足りなさを感じている人
- 「ファインダー」を覗いて、趣味として写真を撮りたい人
- 撮った後の編集なんて面倒くさい!撮って出しで綺麗にしたい人
×買わない方がいい人
- スマホで完全に満足している人
- 自撮りVlogなど「動画」撮影がメインの人
- 雨の日も雪の日もハードに使いたい人
まとめ:これはカメラだけど、時間ごと残せる。
正直、これはもう「カメラ」という言葉だけでは表せない気がしています。
決して安い買い物ではありません。
でも、「パパ抱っこ!」と言ってくれる時期も、
カメラに向かって無邪気に笑ってくれる時間も、
あっという間に過ぎ去ってしまいます。
その一瞬を、ただのデジタルデータとして残すのか。
それとも、空気や温度ごと記憶に残すのか。
僕は、後者を選びました。
もし今、同じように迷っているパパ・ママがいたら、
ぜひ一度、店頭で X-T30 IIIのダイヤルを回してみてください。
ファインダーを覗いた瞬間、「あ、これなら撮れそうだ」と、きっと感じるはずです。
12/21追記 使い始めて感じたこと
使い始めてまず感じたのは、
X-T30 III は「オートで全部うまく撮ってくれるカメラ」ではない、
ということでした。
白いものや明るい場面では、
オートのままだと少し暗く感じることもあります。
ただ、その分、露出補正ダイヤルを使って
「もう少し明るく残したい」とその場ですぐに修正できます。
スマホよりも簡単には良い写真は撮れない、というのが正直な感想です。
一方で、ファインダーを覗いてシャッターを切ったり、
フィルムシミュレーションで色味や雰囲気を試したりする時間は、
純粋に写真を撮る楽しさを感じさせてくれました。
もしこの色味や雰囲気を選ぶ時間が楽しいと感じられるなら、
X-T30 III はきっと向いているカメラだと思います。
今回紹介した愛機と「最低限」のアクセサリー
初心者はとりあえずこれだけあればOKです!
1. カメラ本体(まずはこれから!)
FUJIFILM X-T30 III
2. 必須アクセサリー(ついで買い推奨)
SDカード 128GB(動画も撮るならV30対応がおすすめ)
液晶保護フィルム(子供の指紋・汚れ対策に必須!)
レンズ保護フィルター 49mm(高価なレンズを傷から守る保険)
最後までありがとうございました。かめ助でした。


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